受講生の感想
《看取り士養成講座を受講して》
第26期看取り士養成講座修了
岡山県 50代女性 看護師
①胎内こそ慈愛の世界、そして死の世界と気付きました。
②胎内の慈愛の中から始まる内観は母性に包まれた安らぎを得られます。死もまた慈愛の世界に入る事。
「死とは胎内に還ること」
私は、初めて胎内内観を経験しました。
〜中略〜
(胎内内観中)パーテーションに持って入れるのは、座布団、ゴミ箱、ティッシュ。
人とコミュニケーションをとったらいけない、スタッフにも。日ごろ私たちは、多くをしゃべり続けています。挨拶をしてはいけないというのは苦痛でした。しかし、慣れるに従って胎内内観だけに集中できました。日常ではできないことです。なくなる前には、走馬灯のように人生を振り返ると言われていますが、まさにそのた体験をさせていただきました。一日胎内内観のときは、慣れていないのもありますがレポート用紙にやっと1枚でした。(※注 ロールレタリングのこと)今回は、次々と思い出されました。後からあれも書けば良かったと思うくらいでした。人の死は、大きな感動を与えるもの。「ありがとう」と感謝して命のバトンが渡せたら、なんと幸せな最期でしょうか。
産んでくれ、このよに存在させてくれた両親に、そして、たくさんの祖先にありがとう。
自分の身体にありがとう。
目の前のあなたにありがとう。
〜中略〜
看取りの場面において、患者がその命のバトンをご家族や愛する人に手渡せるよう努めるのが看取り士の役割だとおもいます。命のバトンを受け取る主体は、患者と最も深い方たちであるべきだと思うからです。それは、患者が自分の人生を肯定して終えるためにも、とても大切なことです。
私が元座で思っていることがこの文章です。病院での死は、最期の時、家族は部屋の外もしくは、ベッドから離れたところから医師や看護師が処置をしているのをみていました。見ているのは、なくなりつつある人ではなく心電図モニターであることが多かったからです。
これからはゆっくり、以前のように自宅で看取りができるよう地域と連携をとりながら一人でも多くの人に知ってもらえるよう努めていきます。
私の人生のなかで胎内内観は貴重な体験でした。
2015年11月記
※ 受講生の感想は、ご本人の許可を得て掲載しています。